シナリオというのは今後どのような値動きをするのか?をイメージすることである。
初心者はイメージって言葉を聞くと、予想することや相場の行方を当てること と勘違いをするがシナリオはあくまでも、考えられる可能性の一つでしかない。
しかし、なにか指針を立てて仮説を立てないと話が先に進まないので 想定される可能性の中からどれか一つを選ぶ必要がある。 その選んだ可能性に基づいてトレード計画を立てる行為を「シナリオを立てる」という。
新型コロナは第5波で終わり!?
新規陽性者数はエリオット波動で分析できる?
宮田直彦氏のエリオット波動レポートとは?
5波はエリオット波動で最後の波。そして、日本の新型コロナウイルスの新規陽性者数の波は現在、第5波にある
エリオット波動理論は非常に複雑だ。それを詳しく説明する資格は筆者にはないが、エリオット波動は「上昇5波、下降3波」で構成されるという基本はわかる。それぐらいは知ってるよ、というトレーダーは多いのではないか。
上図はエリオット波動を模式的に示したものだが、「5波」というのは、エリオット波動では大きな上昇波動の最後の波になる。
一方、新型コロナウイルスの新規陽性者数の推移には波があり、現在、日本は第5波にあると言われている。
それでも、両者を絡ませてみたくなる気持ちも少々。なぜなら、今、流行っている新型コロナウイルスは「デルタ株」だからだ。そこにはちゃんと「株」という言葉が入っている──。
「第5波」という言葉にカギカッコがつけられた背景を推測
話が脱線に脱線を重ねたが、ここで大急ぎで大事なことを確認しておくと、宮田直彦氏はその「エリオット波動レポート」の中で、新型コロナウイルス新規陽性者の推移をエリオット波動では分析していない!
しかし、である。宮田氏はある意識を持って、このように書いていたのではないだろうか。「エリオット波動は5波で終わる」という、トレーダーのみんなが知ってるシンプルな話を意識して。
第5波という言葉にはカギカッコがつけられ、「第5波」となっているのだ。このカギカッコはさしたる意味なく、何となくつけられたものではきっとない。この文章の書き手は厚生労働省でもNHKでもないのだ。この文章の書き手は他ならぬエリオット波動の専門家なのである。
現在、日本のワクチン1回目接種率は60%に達し、2回目接種率は50%近くまで上がってきているようだ。このまま順調にワクチン接種が進んでいけば、まだ波は来るかもしれないけれど、一番高い波は第5波だったということに実際なる可能性もあるのかも…。
宮田直彦氏の移籍で、“エリオット波動の本場”にもなっていたマネースクエア
宮田直彦氏は以前、三菱UFJモルガン・スタンレー証券でチーフ・テクニカルアナリストを務めていたが、2020年11月にFX会社の マネースクエア へ転身。それは約10ヵ月前のことだから、比較的最近の話だ。そして現在、宮田氏はマネースクエアでチーフテクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長を務めている。
マネースクエアはリピート系発注機能の元祖、トラリピ(トラップリピートイフダン)で知られるFX会社だ。“トラリピのマネースクエア”は、宮田氏の移籍により、“エリオット波動の本場”にもなっていたことになる。
マネースクエアで宮田氏は、月に1回、「宮田直彦のエリオット波動レポート マンスリー・フォーカス」と題するレポートを発表している。また、「宮田直彦のエリオット波動レポート マーケット見通し(短期アップデート)」と題するレポートも数日おきに出されている。
また、宮田氏はマネースクエアの動画コンテンツ「M2TV」にもときどき登場している。
ちなみに、宮田直彦氏は2021年3月、「第33回人気アナリスト調査」アナリストランキング株式編のテクニカル分析部門で6位に入賞している。これは『日経ヴェリタス』が主催しているアナリストランキング。『日経ヴェリタス』は日本経済新聞社が発行する週刊の金融情報紙であり、その前身である『日経金融新聞』から数えれば、30年以上の歴史を持つ。
そして、このアナリストランキングにFX専業会社のアナリストがランクインすることは極めてまれなことだ。
新型コロナウイルスの新規陽性者数は高止まりしているとの報道があったが…
同レポートで 「新型コロナ新規陽性者数の『第5波』が既にピークアウトしたとすれば…」 エリオット波動理論の定義や条件は と宮田氏は仮定形で書いていたわけだが、その時点で、日本の新型コロナウイルス新規陽性者数は減少し始めているようにも見えたのだった。そして、その傾向はその後も続いているようだ。
以下は厚生労働省発表、日本の新型コロナウイルス新規陽性者数の過去3ヵ月間の推移だ。ごく素直に見て、このところ、グラフは段々と下がってきているように見える。
その一方、感染者数が高止まりしているがゆえに、緊急事態宣言を延長する方向というような報道も最近あった。だが、感染者数は少なくはないのかもしれないが、高「止まり」しているのだろうか?
以下は厚生労働省発表、日本の新型コロナウイルスによる重症者数の過去3ヵ月間の推移だ。こちらはまだピークアウトしているようには見えない。
当サイトの読者の多くはトレーダーだろう。だとすれば、生活者としては新型コロナウイルスへの警戒感を緩めることなく、トレーダーとしては新規感染者数の推移を冷静に見定める必要があるのではないだろうか。新規感染者数の推移は金融市場へも影響を与えていると思われるからだ。
日本の新型コロナ新規陽性者数は4ヵ月前後の間隔でピークをつけている
宮田直彦氏はエリオット波動とともに相場のサイクル論も重視する立場。米ドル/円が16.5年サイクルで安値をつけていることなどから、宮田氏が見事な予想を展開したことがあったことは次回記事で紹介したいが、8月31日(火)公開の「宮田直彦のエリオット波動レポート」では、日本の新型コロナ新規陽性者数は、理由はわからないとしながらも、4ヵ月前後の間隔でピークをつけていることが指摘されていた。
第1波…2020年4月10日
第2波…2020年7月31日
第3波…2021年1月8日
第4波…2021年5月8日
第5波…2021年8月20日?
そして以下のように、宮田レポートでは、新型コロナ新規陽性者数が「山」のようになったところで、日経平均やTOPIXが安値をつけ、新型コロナウイルス新規陽性者数が「谷」のようになったところで、日経平均やTOPIXが高値をつけるような傾向が見られることが指摘されているのだ。
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