次に「差金等決済に係る利益又は損失の額」の欄に、FX会社のページからダウンロードした「年間取引報告書」に記載されている 「損益合計金額」 を記入します。
他に収入がない場合はそのまま(4)の欄に同じ金額を書きます。
FXの確定申告はいくらから必要?必要書類や書き方についても解説
FXにおける利益の計算式
FXの確定申告の対象は売買差益とスワップポイント
必要経費を計上して差し引くことが可能
FXの確定申告で計上可能な経費一覧
費目 | 具体例 |
通信費 | FX取引に利用したインターネットプロバイダーの利用料金 | FXの税金とは
セミナー受講料 | FX取引や外貨、国際情勢に関する知識を得るためのセミナーの費用 |
交通費 | FX 事業者や同業者との打ち合わせ、セミナーなどに参加するための交通費 |
新聞・書籍代 | FX取引や外貨の情報収集をするための新聞・書籍の購入費用 |
手数料 | FX取引時に発生する手数料や銀行振込手数料 |
トレード用のパソコンやタブレットなどの電子機器購入費 | FX取引を自身のパソコンやタブレットで行なう場合のパソコンやタブレットの購入費用 |
FXで得た利益は「雑所得」に入る
通常の雑所得の場合、給与所得や事業所得など他の所得金額と合算され、所得税額を求めます。しかし FXで得た利益は給与などの所得とは分けて、申告分離課税が適用されます。 その結果、所得金額の大小に関係なく所得税15.315%、住民税5%の合計20.315%が税率となります。
FXの確定申告が必要なケース
FXの所得が20万円を超える
FXの所得が48万円を超える 【扶養家族の方】
副業とFXの所得の合計が20万円を超える 【FX以外にも副業をしている方】
年間給与収入が2,000万円を超える【注意が必要】
FXの確定申告が不要なケース
FXの所得が20万円以下
FXの所得が48万円以下【扶養家族の方】
FXの所得が20万円以下かつ公的年金等の収入が400万円以下【年金受給者】
FXで損失があるなら確定申告をするべき
ただし、確定申告すれば「繰越控除」や「損益通算」によって、節税につながる可能性があるのです。
【繰越控除】翌年から3年間の利益を相殺して税金を軽減できる
FXの必要経費は来年に繰り越せない
【損益通算】同年の他の先物取引による利益から引くことができる
FXと暗号資産CFDは損益通算できない
FXの確定申告で必要な6つの書類
<必要書類>
年間取引報告書
年間取引報告書とは、1年分のFX取引の利益や損失をまとめた書類です。FX会社から郵送されてきたり、自身でダウンロードしたりして入手可能です。
給与所得の源泉徴収票 【給与所得がある方のみ】
申告書B(第一表・第二表)
確定申告書にはAとBの2種類がありますが、FX取引に関する申告を行なう場合は、確定申告書Bを使わなければなりません。確定申告書Bは税務署の窓口で入手するか、国税庁のホームページからダウンロードできます。
申告書第三表(FXの税金とは 分離課税用)
確定申告書の第三表は、分離課税となる所得が発生する場合に用いる申告書です。FX取引のほか株式取引、不動産の売買などから発生した所得がある場合に用いられます。第一表や第二表と同じく税務署の窓口で受け取るか、国税庁のホームページからダウンロードが可能です。
先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
FXなどの先物取引を行なった結果、利益又は損失がどれだけ発生したのか、そして必要経費がいくら発生したのかを記載する書類です。ここで計算した金額を、第三表に所得金額として転記します。申告書と同じように税務署の窓口や国税庁のホームページで入手できます。
所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)
FXの確定申告書類の書き方
FXの確定申告に必要な書類の書き方を解説します。確定申告書はもちろん「 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書 」や「申告書第三表(分離課税用)」の書き方を順に沿って見ていきましょう。
1.申告書Bを記入
確定申告書B 第一表
確定申告書B 第一表 (令和3年分以降用) 出典:国税庁HP
確定申告書B 第二表
確定申告書B 第二表(令和3年分以降用) FXの税金とは 出典:国税庁HP
2.先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書を記入
先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書 出典:国税庁HP
海外FXの税金計算ツール(シミュレーション)FXの税金とは
税金・確定申告
海外FXの税金計算ツール(シミュレーション)
給与額 | 0 円 |
---|---|
給与所得 | 0 円 |
海外FXの所得 | 0 円 |
合計所得額 | 0 円 |
社会保険料 | 0 円 |
控除額 | 0 円 |
控除後の所得額 | 0 円 |
手取り収入 | 0 円 |
所得税 | 住民税 | ||
---|---|---|---|
0 円 | 0 円 | FXの税金とは FXの税金とは||
(内、海外FXの所得税 | 0 円 | (内、海外FXの住民税 | 0 円 |
給与額 |
---|
0 円 |
給与所得 |
0 円 |
海外FXの所得 |
0 円 |
合計所得額 |
0 円 |
社会保険料 |
0 円 |
控除額 |
0 円 |
控除後の所得額 |
0 円 |
手取り収入 |
0 円 |
所得税 | 住民税 | ||
---|---|---|---|
0 円 | 0 円 | FXの税金とは||
(内、海外FXの所得税 | 0 円 | (内、海外FXの住民税 | 0 円 |
所得税 | FXの税金とは住民税 | ||
---|---|---|---|
0 円 | 0 円 | ||
(内、海外FXの所得税 | 0 円 | (内、海外FXの住民税 | 0 円 |
- 各種項目は、令和4年分(2022年)FXの税金とは の計算方法を利用しており、だいたいの数値を示す目安となっています。
- 実際の計算方法は税金計算方法で紹介して行きます。
- 国民健康保険、国民年金は計算に入っていないため、専業トレーダーの方は、別途国保、国民年金の計算が必要です。
- 「住民税推定額」は前年の所得金額を今年分と同じ金額であるものとして算出しています。
- 生命保険、個人年金、介護保険、地震保険料は所得税17万円、住民税12万円の控除計算になります。
- ふるさと納税は所得に対する最大金額(近似値)での計算になります。 にプレスリリースしました
- 参考:海外FXの税金(小谷野税理士法人)
海外FXの税金計算方法
海外FXの税率(所得税)
所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超~4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超~ | 45% | 4,796,000円 |
海外FXの税率(住民税)
所得金額 | 税率 |
---|---|
一律 | 10% |
私の確定申告書と源泉徴収票
確定申告書
源泉徴収票
所得金額を計算
海外FXの利益
年間取引報告書の「クローズドトレードP/L」(Closed Trade P/L)が「海外FXの利益」となります。
サラリーマンの給料
FXの税金の計算方法・確定申告のやり方を解説、経費と損失による節税方法も紹介
まずは「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を用意します。
・氏名および申告する年
・申告の種類(FXの場合は雑所得)
・取引種類(外国為替取引)
・決済の方法(仕切)
2.総収入金額の記入
次に「差金等決済に係る利益又は損失の額」の欄に、FX会社のページからダウンロードした「年間取引報告書」に記載されている 「損益合計金額」 を記入します。
他に収入がない場合はそのまま(4)の欄に同じ金額を書きます。
3.FXの所得金額を算出、記入
最後に必要経費がある場合はその内訳(内容・金額)を記入し、所得金額下の計算式に従って所得金額を算出・記入します。
4.申告書第三表の収入欄「先物取引」に収入金額を記入
次に、申告書第三表の記入に移ります。
収入金額の「先物取引」欄に、先ほど記入した「先物取引に係る雑所得等の計算明細書」の 「総収入金額(4)」 を記入します。
5.所得金額を記入
続いて「所得金額」の欄には、先ほど計算した「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」の 「所得金額(12)」 を記入します。
6.給与所得、FXでの所得それぞれの所得税を計算し、記入
最後に、所得税を計算していきましょう。
まずは総合課税の「合計額(12)」に、源泉徴収票に記載の 「所得金額」 を記入、「所得から差し引かれる金額(29)」に社会保険料控除などの控除金額の合計を、源泉徴収票を参考にして記入します。
次に、(12)から(29)を引いた金額を(75)に入れていきます。
上記の(83)には、(75)の所得金額に対する所得税率を国税庁のウェブサイトなどから確認し、給与所得に対する所得税額を算出・記入します。
(88)には、(80)で記入した金額に、所得税率15%で計算した金額を記入します。
そのため上の例と同じくFXでの所得が100万円だった場合の所得税は15万円になります。
最後に、算出した(83)と(88)の合計金額を FXの税金とは (91) に記入して第三表の記入は終了です。
例のケースをそのまま計算した場合は、合計5万円+15万円=20万円となります。
7.申告書B(第一表)を記入
ここまで記入が済んだら、あとは「申告書B」を記入していきます。まずは第一表から。
名前や住所、振込先などの基本情報を記入後、左半分の内容に関しては「源泉徴収票」の内容を確認しながら「収入金額等」の給与額、「所得金額(給与)」「所得から差し引かれる金額」を順に記入していきます。
次に、右側の(31)にさきほど第三表で計算した、給与所得とFXでの所得の所得税合計金額を記入します。
最後に(44)の復興特別所得税額を計算し、記入します。
ここでの計算式は 「所得税 × 2.1%」 となっており、先ほど説明したFXの 復興特別所得税率(0.315%) とは一見異なるように見えますね。
8.申告書B(第二表)を記入
「申告書B(第二表)」の内容に関しては、特にFXならではの記入項目はありません。
・住所、氏名
・所得の内訳(給与のみ記載)
・各種控除
FXで損したら?「損益通算」のメリット
FXで損をしてしまった場合には「損益通算」を行うと大きなメリットがあります。
損益通算とは、 FXによる損失が出たときに確定申告をして次年度以降に損失を繰越すこと です。
「損失を繰越す」というと企業の決算のイメージがあるかもしれませんが、実は個人のFXトレーダーでも、しっかりこの仕組みが使えます。
FXでの「損益通算」は同じ所得区分で行う
・商品先物取引
・日経225先物取引(オプション取引含む)
損益通算は「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」で行う
損益通算のやり方は簡単です。
先ほど確定申告の手順で解説した書類「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」に、複数社での取引内容を記入するだけです。
所得としては「0円」として申告しますが、一緒に「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」を記入して申告すれば、この-20万円を最大3年間まで繰越して利益から差し引くことができます。
ただし損失を繰越す場合は、損失が出た年以降の最長3年間、毎年確定申告が必要です。
さらに「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」も一緒に提出しなければいけません。
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